愛に忠義

愛に忠義

ミュージックビデオ|2022

高杉 留奈 野村 成美, 内田 拓海, 森永 実季

東京藝術大学

エンターテインメント部門 BRONZE

ENTERTAINMENT DIVISION BRONZE

武士道と恋愛の共通点は、「愛」である。武士道の「愛」は主君に忠誠を誓う、神聖で狂信的なもの。恋愛の「愛」は様々な形がある。私は武士道を学ぶうちに恋愛に武士道が活かせるのではないかと思い、武士道と恋愛の共 点を十戒と十個の家紋にまとめ、そのPV とラブソングを制作した。だれかを愛する事は、覚悟であり、勇気である。「愛に忠義」は常に戦いであり、愛する事に誇りを持って狂信する事である。また、熱狂的な恋愛は「重い」「怖い」と揶揄されることが多いが、「愛に忠義」は、かっこよく、美しく凛と、相手を深く愛することである。このくらいの気概を持って恋愛する事が全ての人にとって正しいかは分からないが、自分は武士道的愛のある恋愛がしたい。

審査員コメント

  • 単純に見ていてすごく楽しく、とても好きな作品でした。楽曲、歌詞もよく練られており、次々と展開される予想外なシーンも見ごたえがあります。表現として、見るものを選ぶ、少々アクが強い部類のものだとは思いますが、その実、どの角度から見ても非常に密度の高い表現がされていて感銘を受けました。特筆したいのは、ここ数年見ていた中でも、エンタメとしてのサービス精神が飛びぬけて高い点です。全体的な画の質はバッドテイスト狙いだとは思いますが、鑑賞者とのコミュケーションという点では、非常に高いクオリティを持っていると思います。要は、この作品は確実に人の心をザワつかせる力があります。苦笑と共にだとしても。作者が思う本当のところはわかりかねますが、鑑賞者を楽しませようとする愛への飽くなき忠義を強く感じました。今まで、こういったコンセプトで攻めて成功している作品は少なく、本コンテストでは異色作になるかと思いますが、(美術館等で展示された中ではなく)道行く人々にふいに見せても刺さりそうな、今後もこういった「強い作品」が増えてほしいと願います。

    大塚 康弘 ディレクター/株式会社デジタル・フロンティア