ボディジェクト闘争

インタラクティブアート|2021

今井 健人 小鷹 研理

名古屋市立大学大学院

近年、XR領域においてアバターなどのオブジェクトに身体所有感を生起させる研究が多数報告されているが、私は、人間の身体もオブジェクトであり、そのオブジェクトに「body」という名の特別なラベルが貼られていると考える。しかし、簡単な思考実験をするとわかるが、このラベルは強力な吸着力でオブジェクトに張り付き、なかなか引き剥がせない。そこで、その「body」というラベルを首尾よく剥がし、「オブジェクトとしての身体」に地続きにアクセスすることができる作品「ボディジェクト闘争」を考案した。本作は、体験者の意識下にある「手」としての身体と「オブジェクト」としての身体イメージが、一息つく間を与えずに交互に襲いかかる機構により、強烈な身体像の書き換えが行われ、体験者の手とオブジェクトが身体の所有権を巡って闘争し、不安定な身体感覚が生起するオブジェクトとしての特性を孕んだ身体の新しい側面に光を当てた制作物である。