Trash images(有象無象)

インスタレーション|2020

クニモチ ユリ 関根 裕

京都市立芸術大学大学院

人々がインターネット上へ息を吸うようにアクセスし、消化しきれないほどの情報へ触れる日々が日常化した現代では、何か分からないことがあれば検索サジェストにキーワードを打ち込めばめぼしい情報が自動でピックアップされてくるという動作が刷り込まれがちである。それは、1つの「解」がすべての事象にあるのではないかと思わされる構図なのではないだろうか。また、ここ数年で形象的な快楽を優先する視覚文化の変化(=視覚のInstagram化)が進み、日常目にする身近なオブジェクトが何かに連想され、とりとめもない風景に佇む造形群は写真にどうやって映えるように納められるか?というような強いコンポジションの意識でもって眼差されていくような状況が起きている。 本作は思想・視覚的な「分かりやすい」華やかさや、離乳食のような情報が求められ流通するようになった現代の感覚の推移と、その根幹にある情報を噛み砕く行為の存在について作品を通して鑑賞者に問いかけ、体感できるようなものが作れないか?という動機によって制作された。

審査員コメント

  • 「よくぞこのコンテストに応募してくれました」と心の中で拍手してしまった作品。インターネットに漂う妖怪を抽出したような不気味なモチーフが面白い。「離乳食のような情報」が濁流のように流布するインスタ映え戦国時代に咀嚼できないものをあえて見つけ出すアプローチも良い。メディアアートのカテゴリの中では異質に見えるかもしれないが、作家が主体として持っている問いはオリジナルかつ社会状況に対して重要なものであり、むしろメディアアートとして本質的な作品だと感じた。

    市原 えつこ メディアアーティスト/妄想インベンター