流石に、早く、〈なおさなければ〉いけない

レクチャーパフォーマンス|2020

江口 智之

多摩美術大学

鑑賞体験における、リアル・フィクション・ノンフィクションの境界、正確にそれらを判別できないことをバグと呼ぶのであれば、蝿はどこにいる?

審査員コメント

  • 昨今、現代美術のフォームとしてよく見られるようになった「レクチャーパフォーマンス」という形式に言及する本作。レクチャーが終了して、作品のエピソードが何気なく語られはじめたと思いきや、水が溢れていることに気づかない素振りを見せる演者によって、再びフィクションの世界に引き戻される。「流石に早く〜」と繰り返されるフレーズによって見るものを錯乱する。簡単な言葉や所作の操作に見えるが、緻密に練られており、確かに、現実の不確かさを、確かめられるような、優れたパフォーマンスであると感じた。

    やんツー 美術家