隣り合う人の顔も知らぬまま

インスタレーション|2020

ヒラヤマ ナツホ

多摩美術大学大学院

本作は、高度経済成長期に住宅難解消の目的で開発された多摩ニュータウンで、ゴルフをする作品だ。私は製作したゴルフマシンを多摩ニュータウンへ持ち出し、ボールを打ちながら様々な場所を巡り歩いた。ここは私の故郷でもある。 多摩ニュータウンには、6つの大きなゴルフ場が隣接して存在する。政治やブルジョワジーの象徴として描かれるゴルフは、ニュータウンの”均質的な日常”からは遠くかけ離れた存在だが、お互いは歪に共生するように、隣り合っている。遠くはなれたどこかの誰かは今日も、この整えられた美しいユートピアに、ゴルフをしにやってくる。記録映像、実際の装置、ニュータウンの地図で展示は構成される。地図には黄色いテープで、多摩ニュータウンの形状をマーキングしている。地図上に置かれたティーは、撮影地の目印である。これは、歪な共生関係を淡々と描く試み。