韻を踏む

インタラクティブアート|2019

眞鍋 美祈 Richard Sahala Hartanto, 高嶺航

東京大学

韻をふむのは詩人やラッパーの特権じゃない。誰もが韻をふめたなら、もっと言葉に親しみがわくはずだ。本作品では、物理的に「踏む」ことを通して韻をふむ体験をしてもらう。本を読むことが減ってしまったこの時代だからこそ、青空文庫から抽出された名文を使って韻をふむことで言葉の魅力を感じてほしい。開かれた本の上にかかれたフレーズを踏むと、そのフレーズと韻をふんでいるフレーズが周りに現れる。何も考えずにリズムよく本の上を踏んでいくだけで、誰でも必ず韻をふみ、ラッパーになれる。ラップ好きの友人がLINEで話す際に話を噛み合わせつつ韻を踏んできた経験から、私も韻を踏めるようになりたいと、制作した。押韻が得意な人は、ラッパーでも詩人でも、とてもボキャブラリーの多い人だ。毎日スマホの予測変換を使ってどんどん語彙が貧弱になっている現代人に、体を使って言葉とふれあう経験を通して、新たな言葉との出会いを楽しんでほしい。

審査員コメント

  • ラップ好きも、文学好きも、身体を動かすのが好きな人も、
    みなが等しく楽しめる作品。(しかも有意義!)
    体験として単純に面白いし理解し易い(見やすい)というのは、なによりいいですね。なかなか出来ない事です。反応もピーキーでたいしたものです。

    まだ、仕上がり的には荒さも感じますが、きっかけとなった発想がとても良いと思います。
    これはのびますね。ぜひもっと、精度を上げ、アイデアを発展させ、この作品育てていきましょう。

    真壁 成尚 ディレクター/WOW株式会社
  • 文学、ラップ、言語解析といった組み合わせは、一定のファンを集める可能性を秘めていると思う。文学フェチとしても、耳触りの良い韻に体を預ける感覚としても、体験の面白さをさらに深めることができるだろう。ただ、韻を踏む=ラップというテーマはそれ以上の広がりがなく、なぜそのテキストが選ばれたのか、もうひとつコンセプトがほしいところ。またインスタレーションの演出としても、散らばった紙を目で追って踏むだけではなく、もう少し観客の動きや空間の使い方を工夫するとさらに良くなる作品だと思う。

    塚田 有那 編集者/キュレーター