Schnellraumseher: Bouncing Ball

インスタレーション|2018

鈴木 健太

筑波大学

Schnellraumseherは、連続する3次元物体を実空間で高速に回転させ、局所的な光を当てることによって実体を持つアニメーションとして再生するメディア装置である。既存の実物体を用いた3次元アニメーション装置は空間全体の光を制御しているため、同一空間内に複数のアニメーションが同時に再生され、鑑賞者は1つのアニメーションを注視する必要があった。古典的映像装置では、スリットや鏡の使用、投影をすることで2次元像としてフレーム化をしていたが、この注視という行為は人間のメディア特性を踏まえた上でのフレーム化であり、映像的な鑑賞方法である。本装置はアニメーションの同時に出現する数と位置を制御することを可能にした。これにより注視によるフレーム化をすることなく、3次元空間全体を表現・鑑賞空間としたアニメーションが成立する。Bouncing Ballは、落下という物理運動に対し、非物理的な潰しと伸ばしを付与したプリミティブなアニメーション表現である。物理制約から離れた2次元映像の文化において誕生した物質性と非物質性を併せ持つコンテンツを実体によって表現することで空間アニメーション表現の可能性を示す。

審査員コメント

  • これまでも様々なゾートロープやフェナキスティスコープの応用作品が作られてきましたが、このような形で更なる発展形を見られたことが、まずは嬉しいです。ボールのバウンドというシンプルでわかりやすいオブジェクトの配置から現れた形や動きは、想像していた以上に多様で、美しいものでした。
    この装置を使った「Bouncing Ball」以外のものも見てみたいです。この装置のバカでかい版とか。
    色々な可能性を感じました。

    大山 慶 プロデューサー/株式会社カーフ代表取締役