AI LiveCoding

インスタレーション|2018

白石 覚也

情報科学芸術大学院大学

この作品は音響合成プログラミング言語を学習したAIが即興で自律的に演奏する作品である。 AIは、条件式の繰り返しを絶え間なく提案することで、人間には思いつかないようなコードを書き、アルゴリズムとして作曲し、そのまま生演奏する。ひとりでに書かれていくテキスト、次々に実行されていく命令により鳴る音を視覚化することで、実体のないAIの存在を想起させる。AIが人間とは異質なままそこで完全自律的なパフォーマンスを続けることで鑑賞者は実体のないAIの存在を理解するとともに、人とAIの相違点・境界を意識させ、システムとして外部化されたAIを考えさせる。

審査員コメント

  • まず高い技術力と完成度が見て取れて、作品に説得力がある。しかし、もちろん高度なプログラミングスキルを評価しているわけではなく、AIにライブコーディングをさせるということが、昨今ラップトップによるオーディオビジュアル表現として流行しつつあるライブコーディングそのものを痛烈に批評している構造を成立させてるように感じる。ライブコーディングは、それまでの人間によるラップトップのみを使ったライブパフォーマンスへの問題解決方法として、コードを人間がリアルタイム編集し、その様を見せることで自身をコンピューター上に転移させるが如く、パフォーマンスにおける身体性(人間性)を担保する。それが一義的な目的であったはずだ。しかし、このAIによるライブコーディングが成立してしまうと、いよいよコンピュータ上では生身の人間の身体性が担保できなくなり、同時にAIが人間に及ぼす存在感が増してくるのではないか。

    やんツー 美術家