送れ | 遅れ / post | past

インスタレーション|2017

松浦 知也

九州大学大学院

作品Webサイトhttps://matsuuratomoya.com

音響遅延線メモリーという電子計算機の最初期、1950年代の短い期間に使われた記憶装置がある。これはスピーカーから出した超音波のパルスをマイクで広い、検出したパルスを再びスピーカーから出力することで一定のパルスのパターンがぐるぐると回りつづけ、データが保存できるというものである。 この作品では、音響遅延線メモリーを拡大解釈し、「物理的に分離された音響遅延線メモリー」システムを提示する。「聞き取ったのと同じデータを発音する」というだけのシステムを2台組み合わせることで、個別には通信装置としての機能しか持っていないが全体としては記憶装置の機能を持つ。それではデータは一体どこに「保存」されているのだろうか?システムは、音のパルスを用いた2つ1組のコンピュータと、音声入力・テキスト読み上げ機能を用いた2つ1組のコンピュータの計4台が独立してそれぞれ稼働している。音を発することを通して何かを「記録」したり「記憶」する事を再考する音響装置作品。

審査員コメント

  • macOSのテキスト読み上げ機能で発せられた音を拾い、Googleドキュメントの音声入力でテキストを書く。それを2台で繰り返すことで、記録装置にするというインスタレーション作品。周囲の雑音などで次第に言葉が変化してしまうなどのエラーも含め、MacBookが可愛らしく見えてくる。「Googleドキュメントは公開されているので誰でもオンライン上から介入できる」のは必要な要素だったのだろうか?

    大山 慶 プロデューサー/株式会社カーフ代表取締役