根菜

パフォーマンス|2017

金井啓太 / 総合造形パフォーマンス2016「ねぞうのへん」スタッフ

筑波大学

KNOWLEDGE AWARD

作品Webサイトhttps://volkhov.tumblr.com/

我々の世界は考えているより狭い。現代では様々な手段で世界中の情報を見ているように思うが、自分が見聞きできる範囲外のことはあくまで人づての情報であり、自分に情報を伝えた者のフィルターが通されている。インターネット検索においても、ユーザーが自らの観点に基づき見たい情報だけを選択的に取得することで、その人の観点に合わない情報から隔離され、自然と彼ら自身の文化的、思想的な皮膜の中に孤立してしまうことはフィルターバブルと呼ばれている。つまり我々は培った環境に自分自身を閉じ込め、外界の情報があることにも気づいていないのだ。だから私は土に埋まり、観客の意識の外から登場した。そして様々な物を観客が地面としか思っていなかった場所から出現させ、生を営み、また地中に戻った。このパフォーマンスを通して、日常にも自分には考えが及ばず認知もできない思想や生き方が存在するかもしれないということを考えてほしい。

審査員コメント

  • ネタバレにならないよう、まずは作品を見ていただきたい。
    今年はインターネット (SNS が私たちに及ぼす影響) をテーマとする作品が多かったが、そんな中、フィルターバブルをテーマにまさかこういった作品が出てくるとは夢にも思わかなかった。パーソナライズされたネット空間はユーザによる発見を限定して意外性を排除してしまう。そんな時代に作者は土の中から雄叫びとともに這い出し鑑賞者の目の前に飛び込受動的になりがちな私たちの日常をぐいぐいと矯正するような作品である。

    萩原 俊矢 ウェブ・デザイナー