The Pasts in the Future

インスタレーション|2017

前田 博雅

武蔵野美術大学

 映像、特にビデオの機能を考えたとき、記録と再生、ライブ性の3点があげられるだろう。映像作品の多くは記録と再生によって支えられる。しかし、それに加えライブ性も同時に示すことができたらどうなるか。また映像を可視化するモニター/プロジェクターを同時に使う表現は可能か。そうした探求の中で生まれた作品の1つである。 ライブ性の用い方は、インタラクティブな表現となることより、むしろその映像が完成する一過程となることを目指した。そのためCGだけでなく線に実写素材も使用するなど視覚的な表現への意識を向けている。 反復する線が一方向の時間軸を否定し、繰り返し生成される画像は中心を軸に彼方へと吸い込まれていく。それらは永遠への志向でもあり、 全体性への挑戦でもある。その中で複雑化していく線は、映像にわずかな厚みを与えている。 中心から渦巻く映像が覗きこむ者をもまさに”取り込み”、未知の時間へと引きこんでいく。

審査員コメント

  • 「線」という極めてシンプルなモチーフが動いているだけの映像をモニタに映し、それを撮影、リアルタイムでプロジェクターによって上から投影するインスタレーション作品。直接目にしたい、体験したいと強く感じた一方で、直接見てみないとよく分からないというのも正直な気持ちだった。プレゼン映像にもう少しだけ工夫の余地があったのではないだろうか。

    大山 慶 プロデューサー/株式会社カーフ代表取締役