Candy.zip

アニメーション|2017

見里 朝希

東京藝術大学大学院

ART DIVISION SILVER

PARTNER AWARD

作品Webサイトhttps://vimeo.com/user19185087

パソコンのファイルをキャンディーに見立てた世界でのお話です。キャンディーらしい表現にするために、素材は主にプラバンを使用しました。会社の資料を自信を持って仕上げても、社内で一向に評価されない女性社員アオコ。ある時、彼女が完成させた書類が同僚にすり替えられている現場を目撃します。口封じに姿をキャンディーに変えられてしまうアオコの物語です。このお話を作ろうと思ったきっかけは、作家さんの絵を転載し、自分の成果であるように見せていて、実際に本家よりも評価されている人をSNSで見かけたことです。例え目立たなくても、その人の頑張りは必ず誰かが見ていて、諦めずに頑張っている人はいつか必ず評価される。といったメッセージをこの作品に込めました。キャンディーの美味しそうな質感や、キャラクターの動きなども楽しんでいただけましたら幸いです。

審査員コメント

  • キャンディメーカーで働くチョット冴えない女の子、イケ女のライバルのお色気パワーにいつも引け目を感じている。新製品の開発を横取りされ、コンピュータの画面に圧縮データ(.zip)として閉じ込められる。味方する可愛いアリ達のお陰で痛快な逆転!キャンディの透明感とコンピュータの画面に現物が入り込む。コマ撮りアニメーションの工夫とプラ板という素材を上手く活かしている。昨年はフェルト人形アニメーションで最優秀賞を獲得した見里君は、「食」というテーマと「素材」を活かすアニメーション表現を明解なストーリーで物語る。今後の展開が期待できる人材だ。

    陣内 利博 武蔵野美術大学 視覚伝達デザイン学科 教授
  • カラフルなプラバンやレジンと昼ドラ的な生々しいストーリーのギャップが面白い作品。はじめはなぜキャンディーをモチーフにして、人間の社会を描こうと思ったのかよくわからなかったが、たしかに考えてみればキャンディーも人間も、外見と中身 (味) という 2 つの要素をもっていて、見かけによらなかったり、見かけ通りの中身だったりする。最近の SNS などでは写真・動画中心に「外見」の部分ばかりが重要視されているなか、本性を表すメタファーとしてキャンディーははまっているようにも思う。いずれにしても独特な世界観をもった作品である。

    萩原 俊矢 ウェブ・デザイナー
  • プラバンなど使い制作された半立体アニメーション作品。大変丁寧に作られており映像の完成度がとても高い。パソコンのファイルをキャンディーに見立てて会社内でのトラブルを描いているのだが、この世界のルールがよくわからない状態のまま「人間をキャンディーにする」「それをアリが助ける」「キャンディーになった人間を口に含むと元に戻る」など、特殊な出来事で話が展開していくため、緊張感やカタルシスを感じさせづらくなっているのが残念だった。

    大山 慶 プロデューサー/株式会社カーフ代表取締役