マージナルマンのトーソー

映像|2016

川北 玲

東京造形大学

審査員コメント

  • 自分自身が「ダメ」であることにとても自覚的で、だからといって「ダメ」であることから抜け出す道があるわけではない。自分はいつまでも変わらない、自分を変わるすべを知らないので、他人と暴力的に関わり、その視線を暴力的に自らに集めることによって、自分自身を彫塑するような作品。それは居心地の良い場所で行われる逃走であるようにも思える。自分自身から、そして他人から。だが恐ろしいのは、繰り返される逃走の果てに、最後、黙って映し出される人々の姿が、十分に逃げておらず、削り取られてもいない、途方もなく安住した人々のように見えてしまうことだ。この作品は、図らずも、かなり絶望的なビジョンを示してしまっている。

    土居 伸彰 アニメーション研究・評論