ブレイクタイム No.3

パフォーマンス|2016

玉木 晶子

東京藝術大学大学院

ART DIVISION SILVER

審査員コメント

  • 私が、もう一人の私に目隠しをして「だ~れだ?」と無邪気なイタズラをする。この何気ない私から私への問いかけは、二人の奇妙な共同生活を追っていく中で、徐々に深刻な問いかけに変化していく。二人のやりとりが積み重なるにつれて、やがて現実と仮想の境界線はあいまいになる。しかし、最後はシャボン玉が割れるように、仮想の私は儚くも消えて、現実の私は一人残されてしまう。そのときに思う「私とは、いったい誰なんだろう?」

    水江 未来 アニメーション作家
  • 動画やレースゲームのように始まりと終わりの時間が決まっているコンテンツはその「コンテンツ内の時間軸」でコミュニケーションが可能である。かつて濱野智史さんが、マリオカートのゴーストやニコニコ動画のコメントの仕組みを「擬似同期」と呼んだが、本作はまさに擬似同期的な考えをパフォーマンスに取り入れている。似顔絵を描くシーン、記念写真のシーンなど、映像側の演者の行動が現実世界に入り込む瞬間、アドリブが利く現実世界側の演者がタイミングを微調整する必要があって、そのたどたどしさが独特な間を作り出している。また、光センサーでお湯を沸かすという不可解な行動も実体のない映像ならではな演出である。終始ちょっとしたはらはら状態が続き、見る側もちゃんと見届けなければ…、という気持ちにさせられるユニークな作品だ。

    萩原 俊矢 ウェブ・デザイナー