息ができない

アニメーション|2015

木畠 彩矢香 金田 望(音楽), 望月 資泰(ミキサー), 株式会社オンパ(効果音), イマジカ(MA)

多摩美術大学

ENTERTAINMENT DIVISION GOLD

主人公の少年は、小学校のプールの授業中、ふざけた勢いで友達を溺死させかけてしまう。自責の念に苛まれる少年の足元からはどんどん水が湧いて出て、徐々に水位が上がっていく。やがて少年は水に飲み込まれ、一人足のつかない水中に取り残される。この作品では「罪悪感」をテーマに制作しました。自分が加害者となってしまい、自分への嫌悪感や周りからの視線に焦燥感や圧迫感を感じた時の、どうしようもない重苦しい気持ちを水に沈んで圧迫されていく感覚や水中での不自由さと重ねて表現しました。「罪悪感」と「水の中での不自由さ」は、人が生きていれば必ずどちらかは経験しているはずです。その時の状態を疑似体験できるような、臨場感のある作品作りを目指しました。

審査員コメント

  • 誰もが一度は経験するような友達との出来事。ちょっとした悪ふざけが思いもよらぬ事態を招いてしまう。自身の罪悪感をテーマに、砂で描き出す様々な水の表現により、重苦しさや息苦しさを遺憾なく発揮した作品。映像を通して感じる圧迫感に加え、思春期の不安定な気持ちや、自己嫌悪から生じる心のザラつきを、砂という画材を巧みに用いることで少年の思いが痛いほど伝わってくる。みるものにあの時の自分を思い出させてくれる。

    豊嶋 勇作 プロデューサー/デジタルフロンティア
  • サンドアートのアニメーション作品とは思えない程、緻密で繊細な作品に仕上がっており、素材の特性を生かしつつも、思春期の複雑な心情風景を丁寧に描きストーリーも非常に分かりやすく尚且つ深い。エンターテイメントとアート、その両方を両立させた数少ない作品となっている。

    谷口 充大 ディレクター/テトラ
  • 思春期に起こったハプニングに対して、動揺する主人公の心情が砂絵アニメーション表現で見事に描かれている。アニメーション、質感、色彩といったに要素それぞれがテーマを描く為に重なり割りつめた緊張間のある作品になっている。

    堀口 広太郎 プロデューサー/グラフィニカ