ながれゆく日々

インスタレーション|2015

川崎 美波

東京藝術大学大学院

作品Webサイトhttp://minami-kawasaki.blue/

額縁に入った絵が壁に掛けられて並んでいる。しかし、ただの絵ではない。それらは絶えず動き続けており、その様子を眺めていると、1つの絵から自然と様々な箇所に目、そして感情が動いてゆく。私達が普段動かないものとして認識している絵が予想外に動きだすことによって、鑑賞者との間に特異な時間と空間をもたらしている。これは、紙等を使用したイラスト表現と映像表現という二つの二次元的要素の融合から、人と作品との新しい距離感や空間を生み出すことを目指した表現研究の作品である。

審査員コメント

  • とにかく実物を見てみたいと思った。作品に埋め込まれた映像は、動き出すまではどう見ても紙に描かれた絵にしか見えず(それはビデオカメラ越しに見ているからという可能性も否めないのだが)、これを実現するためには、ディスプレイと紙との間にある特性の差を埋める絶妙な調整が必要になるし、それに適した身長なモチーフ選びも求められると感じた。デジタルコンテンツを絵画と同じように購入の対象となるようにし、同時にインテリアとして飾りやすくするための探求がさまざまになされている今、ひとつの解としてこの作品が提示するものもあるのではないかと感じた。また、GIFアニメーションのような無時間的なタイムケールをもったものが、このようなかたちで自然にインテリアに置かれたとき、人々の心や生活リズムにどのような変化を与えるのか、その点も興味深い。

    渡邉 朋也 作家