スナッフフィルム

ミュージックビデオ|2015

甲斐 有紀子

多摩美術大学

写真を撮ることは、被写体を未来の無い枠の中に閉じ込めてしまうことなのか。その枠の中で被写体は永遠に静止するのだから、シャッターを切るということは例えるなら殺人のような行為なのか。撮影者は、被写体を殺すしかないのか。被写体は、亡霊になるしかないのか。それでも写真は、フィルムに焼かれた粒子は、殺人現場を模すものではなく、その日そこにあったものが放った光を、今日のあなたへと繋げるものであってほしい。アーバンギャルドの「スナッフフィルム」という楽曲への愛着、そして私が抱いてきた写真を撮ること・撮られることへの愛憎を、カメラマンの少年と亡霊の少女たちに託し、アニメーションにしました。

審査員コメント

  • 非常にクオリティの高いアニメーション作品です。楽曲への愛に溢れている作品だと思いました。キャラクターの動きの完成度も素晴らしいですが、各カットのレイアウトがキマっているので見ていて全く飽きる事がありません。写真をモチーフとした楽曲であるので、ポストエフェクト等も写真の技術や見え方を意識させる演出が素晴らしかったです。最初と最後のカットに出現するカメラをなめるような手の残り方は若干ぞくっとするぐらい格好良いです。

    小村 一生 プロデューサー/ワンオアエイト
  • カメラマンの少年とフィルムの中に写る、死んでしまった少女たち。耽美的な曲や絡み合う少年と少女の手と蔦が印象的。フィルムの中の少女たちが少年に出会う物語は艶やかで象徴的に映し出される「葡萄」や「糸」などのモチーフと掛け合わさって作品を豊かにしている。

    堀口 広太郎 プロデューサー/グラフィニカ