OLD CLOCKMAN’s PARK

アニメーション|2015

森本 眞生

多摩美術大学

日々を生きていて時間とは一方向に流れてゆく。同じ時は二度と巡ってくる事はないし、それをビデオテープのように巻き戻してやり直せたりはしない。そして、現代人は毎日を生活するために一生懸命で忙しい。足下や、視線の外に広がる一瞬一瞬の魅力的な事象を、よいたてまえのお抹茶の椀をゆっくりひと回し、一啜りし、口に広がる芳醇な香りを楽しむように味わう時間は少ない。3年の始めにアニメーションを作る機会があったので、自分はその視点から企画作りをはじめた。「放課後のベッドタウンの公園で子供達が思い思いに遊んでいる。そしてかれらを見守る古びた時計がひとつ。だがそこへぷぅんと忍び寄る一匹の虫が。」そんな単純なストーリーをベースに、同じ時間に起きている事象それぞれに注目して味わえるような時間横断的なアプローチで映像を組み立てていった。

審査員コメント

  • 時間が止まる。改めてゆっくりと動きだす。元にもどる。アニメーション表現の心地よさを生かし時間をテーマとしている作品。緩急のあるアニメーションデザインが独特なリズムで使い分かれている点がとても心地よかった。

    堀口 広太郎 プロデューサー/グラフィニカ
  • 「時間」というテーマは、ややもすると話を難しくする可能性のあるデリケートなモチーフだけど、「時計がハエを振り払うために針を動かす、そしてそれが現実世界の時間と連動している」という分かりやすいベースストーリーの作りに感心した。表現とストーリーにちゃんと落としきれていて、よくマッチしているからこそ面白さが出る。もう少し山場をつくれるともっと良かった気がするけど、ハエの動きはめちゃ良くできていました(笑。

    柳 太漢 インタラクティブディレクター/博報堂アイ・スタジオ