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アニメーション|2015

中内 友紀恵 上水樽 力

東京藝術大学大学院

作品Webサイトhttp://nakauchiyukie.hacca.jp

どこへ向かって良いのか分からないけれど、どこかへ進まなくてはならない。何かを目指さなくてはならない。たえず形を変えながら漂う心は、目的を見つけることで成就へと駆け出していく。

審査員コメント

  • 「私はここにいる」という言葉は、普通であれば、私ではない他の誰かに、自らの存在をアピールするものである。しかし、この作品においては、ただ自分自身に対してつぶやかれているだけのことである。あまりにもまっすぐで、あまりにも真剣であるがゆえにたどり着いてしまう境地というものがあり、それは決して他人とは共有できないし、しなくてもいい場所である。この作品が描くのは、そういった種類の決意だ。この作品のなかには、複雑に絡みあった法則性がある。そこに辿り着くまでの長い道のりの痕跡も見える。でも、観客である私たちが見るのは、その傷ついた背中だけであり、その道筋についての物語は語られることはない。ただあくまで自ら頷くためだけにこの作品は作られ、そのことが限りない強度を与えている。

    土居 伸彰 アニメーション研究・評論
  • 序々にフェードインしてくる曲と共にドラマチックに展開していくアニメーションです。幾何形態が生き生きと動き回り時にコミカルに時に美しく自らの形を変形させたり他者へ影響を与えたりしながら展開していきます。様々な想像を掻き立てる作品ですが、混沌の中から多種多様な生物が爆発的に出現していくと言われていた「カンブリア大爆発」的なイメージを持ちました。数ある選択肢から自分が信じる未来へ進化していく力強い表現がとても魅力的な作品だと思いました。

    小村 一生 プロデューサー/ワンオアエイト
  • 真っ黒な世界に白い点が光り、様々な形やイメージが画面を踊る。音楽と映像が心地の良いアンサンブルで、さながらコンサートホールで行われる演奏会のような作品だった。展開されるアニメーション映像は奏者の演奏する音色のようで見終わった後に拍手を送りたくなった。

    堀口 広太郎 プロデューサー/グラフィニカ