日々の罪悪

アニメーション|2014

キム・イェオン

東京藝術大学大学院

審査員コメント

  • 僕もゴンブリッチの美術の物語は途中まで読んで放り投げてしまっているし、土日になれば食べる事と飲む事しか考えないし、いざ飲んだら昼まで寝ているのものだから、この作品を見ているとまるで自分の事のように反省してしまう。同時に、むしろ「まあ、いいかな」という、なにか肯定されるような気持ちにもなってくる。「ギルティ(罪)」と「解脱くん」という名前の男女が登場するんだけど、名前だけ見たら神話っていうか寓話っぽくてちょっと身構えてしまう。けれど、全体がポップでかわいらしく描かれてて、どうってことのない日常の話だから、「まあ、いいかな?」って思う。むしろ、こんな話が神話になっている世界に生まれたかった。ああ、作者自身の中では、ちゃんとこの話は神話とか寓話のように記憶に存在してるんだろうな。ともかく、なんだかんだでよりを戻して、調停されるというか、とりあえずハッピーエンド(?)な感じで終わるから、「いいじゃん、いいじゃん」ってな気持ちになる。

    谷口 暁彦 作家
  • この作品には、自らが逃れきれない罪深さの感覚を、なんとかようやく自分のなかからそっと抜き取って、目の前でそのかたちを生まれてはじめて見れたかのような感覚がある。「ギルティ」という名前をつけることで、ようやく客観視できて、でもそれは、本当にかろうじて可能になったことであって、その罪深さの意識の塊のようなものは、まだ少し湿っていて、生温かい。でも、それだけにスリリングで、そして、感動的だ。この作品が感じさせるこれらの感情自体が、とても物語的でドラマチックなのである。

    土居 伸彰 アニメーション研究・評論